成長期におこる痛みは成長痛ではない?気をつけたい中高生のスポーツ障害について

成長期に足などを痛がると、よく「成長痛だね」と言わると思います。その名前から、骨の成長でおこる痛みだろうとイメージしがちですが、骨が成長することで痛みが出ることはありません。実際は、骨を伸ばす成長軟骨に障害がおこり、痛みが生じているのです。では、なぜ痛みはおきるのでしょうか?ここでは、成長期におこりやすい痛みについて、また、スポーツをおこなう中高生に多いスポーツ障害について解説していきます。

成長痛とは?

成長痛は、ぴったりする名称がないため使われている一般名で、病名ではありません。小さな子どもに多く見られる、原因のはっきりしない足の痛みを、一般的に成長痛と呼んでいるのです。

 

成長痛は、314歳で見られますが、特に多いのは35歳の幼児です。夜に足の痛みがおこりますが、日中は元気で、レントゲン検査などは異常がありません。筋肉の疲れや心のストレスが原因と言われ、小学校に入ると自然になおっていきます。

成長期の痛みは骨端症が多い

成長期におこる痛み、特に膝やかかとなどに見られる痛みは成長痛とは違い、骨端症という病気です。骨端症は、骨の両端にある成長軟骨に障害がおこることで痛みがおこり、年齢によっても痛む部位が違ってきます。特に、スポーツをしている学生に多く見られるスポーツ障害の1つです。

骨端症の原因

成長軟骨は、骨のもとを作る軟骨です。成長期はここでたくさんの骨が作られ、骨を伸ばしていきます。成長する時は、骨が先に伸びて、筋肉は骨に引っ張られる形で伸びていきます。そのため、骨と筋肉のバランスがよく取れていない状態です。その時に、筋肉といっしょに成長軟骨が引っ張られたり、無理な力が加わると、その刺激で成長軟骨が傷つき、痛みが発生するのです。

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骨端症が発生しやすい部位と年齢

体のさまざまな骨の先端に、成長軟骨はありますが、特に痛みやすい部位を見ていきましょう。

●かかと(シーバー病):7~11歳に多い

かかとが少し腫れたり、歩く時、走る時に痛みがあります。

かかとの骨は、10歳前後になると成長軟骨が現れます。そのかかとの成長軟骨に、ふくらはぎの筋肉が付いているので、運動などで筋肉が引っ張られると、成長軟骨が刺激され痛みがおこります。 走ることの多い男子や、サッカー、剣道などのスポーツでよく見られます。

●膝(オスグッド病):11~15歳に多い

膝の少し下が腫れたり、押すと痛みがあります。膝の下の骨が、少し出っぱることもあります。

 

太ももの前面の筋肉は、膝の下の骨に付いています。その部分に成長軟骨があるため、膝を動かし過ぎたり、無理な負荷がかかると、成長軟骨が傷つき痛みがおきます。ジャンプを多くするバレーボール、バスケットボール、サッカーなど、膝を使うスポーツでよく見られます。

●肩(リトルリーグ肩):9~15歳に多い

投球時や、肩をひねったり押したりすると、肩が痛くなります。

腕の骨は、肩に近いところに成長軟骨があります。投手のように肩を使いすぎると、成長軟骨と骨の間にすき間ができ、痛みがおこります。野球だけでなく、テニスやバレーボールなどでも見られます。

●肘(野球肘・テニス肘):13~17歳に多い

投球時やラケットを振る時に、肘が痛くなります。

 

無理な肘の使い方をくり返すことで、肘にある成長軟骨と骨の間にすき間ができたり、肘の骨がぶつかり合い、成長軟骨が傷つくことで痛みがおこります。野球、テニスのほか、卓球や体操でもおこりやすい症状です。

●腰:13~18歳に多い

骨盤にも成長軟骨があるため、スポーツにより無理な負担がかかると、成長軟骨が傷つき腰痛がおきることがあります。

成長期のスポーツ障害は予防が大切

中高生では、スポーツをしている学生が多いですが、練習過多で体に無理な負荷をかけ続けると、成長軟骨やその周囲が傷つき、先ほど説明したような骨端症をおこしたり、痛い部分をかばうことで他の部位を傷めたりします。それをスポーツ障害と言います。

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スポーツ障害の予防法

スポーツ障害は、おこらないように予防することが大切です。スポーツをする時は、次のことに注意しましょう。

①ウォーミングアップをしっかりおこなう

スポーツを始める前は、ストレッチやジョギングをして体を温めます。筋肉や関節がやわらかくなり、負担がかかりにくくなります。

②年齢に合った運動量を守る

スポーツ障害は、同じ動作をくり返し、その部位を使い過ぎることでおこります。練習時間、運動量は、年齢や体格に合わせて調整する必要があります。また、1つの動作に偏らないよう、バランス良く運動することも大切です。

③運動後のクールダウンを忘れずに

運動で興奮した体をそのままにすると、疲労がたまりやすくなります。運動後は、ウォーキングなどを続け、ゆっくりと動作を止めていきます。ストレッチもおこないながら、体をしずめていくと、疲労回復が早まります。

痛みがおきてしまったら

気をつけていても、痛みがおきることもあります。スポーツ障害の多くは、同じ部位の使い過ぎが原因のため、まずはスポーツ活動を休み安静にします。成長期では、安静により症状は良くなっていきます。そして、早めに病院でレントゲン検査などをし、専門医にもみてもらいましょう。自己流ですませてしまうと、骨が変形したままになったり、治りが遅くなってしまいます。

まとめ

中高生の時期は、体力や筋力が強くなり、スポーツスキルを獲得するのにとても良い時期です。その反面、まだ成長期であるため、骨はとてもデリケートな状態です。スキルアップのため練習をたくさんしたくもなりますが、練習量や強度には、いつも気をつけなければなりません。また、痛みや違和感が生じたら無理に練習せず、安静にすることが大切です。自分の体をいつもチェックしながら、楽しく安全にスポーツ活動をしていきましょう。